病態制御学講座 西垣 一男 
(NISHIGAKI Kazuo, PhD, DVM)

教授
総合病性鑑定センター

kaz@yamaguchi-u.ac.jp

083-933-5829

083-933-5820

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研究テーマ

  • ウイルスと動物の共進化
  • 人や動物の染色体DNAには約8%の割合で内在性レトロウイルスが占拠しています。この内在性レトロウイルスは古代のレトロウイルス感染症の名残で、数千年~数千万年前に感染し私達の体に棲んでいます。これら過去の感染遺伝子集団の中には、抗ウイルス分子、筋肉や胎盤の発生、免疫応答に必要不可欠な分子へと変化している古代ウイルスが存在します。ウイルスが生命の進化の原動力になっている場合や、反対に、癌を発生させる病原性ウイルスが出現することもあります。絶滅した古代ウイルスの研究から、現在発生している感染症を科学し、病原体と動物の壮絶な戦いを科学します。

  • ウイルス感染による病気の成り立ち
  • 病原性のあるウイルスに感染すると、動物は病気を起こしますが、病気が発生しない場合もあります。このような場合は体の中で、感染症に抵抗性を持つメカニズムが存在します。病気が発生する感受性や抵抗性に関わる分子を探索し、病気の成り立ちを解明し、それらの治療を目指します。

  • 感染症の診断
  • 動物感染症の診断技術を開発し、獣医臨床現場で用いることのできる技術を提供します。

  • ツシマヤマネコの保護管理
  • ツシマヤマネコは家猫とは異なる種の動物で、日本の貴重な野生動物です。ツシマヤマネコを感染症から守り、保護管理していく活動を行っています。

  • 感染症から身を守る
  • 感染症の予防や病気の発症を阻止するためのワクチンを開発しています。

研究内容の紹介

感染症に罹患したことのない動物はいない」といっても過言ではありません。感染免疫学研究室では各種ウイルス感染症について研究します。ウイルス感染によって癌、血液造血性疾患、炎症性疾患、消耗性疾患、自己免疫、免疫不全など様々な病気がおこりますが、それら病態発生は宿主側の要因によって大いに影響されます。
 当研究室ではウイルス感染によって引き起こされるこのような疾患について、病態発生と宿主側の要因とのかかわりについて研究しており、また、病態発生とウイルス側の要因について検討を行っています。これらの研究から、ウイルス性疾患の病態発生機序の解明ならびに、ウイルス制御による治療や免疫治療についての可能性を追求します。ウイルス学、免疫学、血液学、分子生物学にまたがって研究をおこないます。

コンタクトインフォメーション

居室:共同獣医学部1階125室

オフィスアワー:いつでも