生体機能学講座 日下部 健 
(KUSAKABE Takeshi, PhD, DVM)

教授
獣医解剖学分野

kusakabe@yamaguchi-u.ac.jp

083-933-5881

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研究テーマ

  • 動物の生殖戦略に関する研究
  • 哺乳動物細胞の進化適応に関する研究
  • 形態学標本の新規保存法・作成法の開発

研究内容の紹介

1. 動物の生殖戦略に関する研究
 生殖過程において、爬虫類、鳥類、哺乳類は羊膜・絨毛膜・尿膜の胎膜を獲得し、陸上生活に適応できるようになった。イヌ、ネコは多産性の胎子を受け入れるため、長い子宮角を持つ。他の家畜と比べて子宮頚管が顕著に短く、出産には有利に働くが、病原性外来物からの隔離性は低い。ウシ・ウマは無脱落膜性・上皮絨毛膜胎盤を形成し、分娩後の母体の回復性は早い。
 動物の生殖プロセスは多様で、子宮や胎盤の構造、妊娠生理、内分泌動態など、それぞれの生物条件について特徴を持つ。各々の特徴が生殖に有利に働くか、胎子の発生に影響性があるのかは検証が必要である。
 本研究室では霊長類、家畜、その他哺乳動物、魚類のうちサメ・エイなどの板鰓類について、胎盤、卵巣、卵管、卵白腺、子宮および胎子を観察し、研究を行っている。

2. 哺乳動物細胞の進化適応に関する研究
 肝細胞の直径はブタで18.5±1.06μm、ラットで19.9±3.46μmと、動物本体のサイズに関わらず大差は見られない(日下部未公開データ)。1個の各あたりに含まれるDNAの量も哺乳類では大差なく、おおよそ3pgである。細胞が産生する一定量の構造蛋白、地球上の一定の重力環境は、哺乳動物の細胞サイズを均一化させるのかもしれない。
 一方で、網膜の視細胞について、視覚に関わる働きを有する外節・内節に着目すると、動物により大きく異なることが分かる。特に、夜行性・昼行性といった動物の行動特性に関係する可能性がある(Kuniyoshi, in press)。
 現在、視細胞を一つのモデルとして、細胞の形態形成と、動物の環境適応、動物進化との関係性について検討を行っている。

3. 形態学標本の新規保存法・作成法の開発
 高精度実体顕微鏡やCT、立体構築ソフト、3Dスキャナーなどを用い、動物の立体構造解析、希少動物の骨格のデジタルデータとしての保存、3Dプリンターを用いた動物標本の作製などに取り組んでいる。

研究活動のススメ;自分の学術的興味を、研究活動として取り組める場所を提供します。3年生の研究室配属、研究生、大学院生としての入室を歓迎します。学部外・学外からの問い合わせも、遠慮なくどうぞ(随時募集中)。

コンタクトインフォメーション

居室:共同獣医学部2階205室

オフィスアワー:講義・実習、ゼミ(月曜夕方)の時間帯以外は大体います。